無利子奨学金でも繰上返済(返還)した方がいいの?やり方・メリット・リスクまとめ


「奨学金を完済したら利息負担分が節約できた!」

「繰り上げ返済したら機関保証料が戻ってきました!」


どうも、すまらくです。

有利子奨学金の場合は繰り上げ返済すれば利息負担分が節約できます。

一方で「無利子奨学金なら利息かからないし繰上げ返済する必要はありますか?」という疑問の声も多く頂きます。

そこで今回は無利子奨学金(第1種)の繰上げ返済するメリットと、借り続けることのリスクについて考えていきたいと思います。

※ここでは日本学生支援機構の奨学金制度を前提にお話しします。



繰り上げ返済のメリットはある?

まず繰上げ返済のメリットについて見ていきましょう。

無利子奨学金であっても連帯保証人や保証人を付ける必要があります。

しかし、日本学生支援機構では保証人が付けられない代わりに機関保証制度が用意されており、これを利用して奨学生になることができます。

あまり知られていませんが、この際に支払った機関保証料は繰上げ返済することで一部返還されます。

満期完済まで奨学金を返還し続けるよりも、返還することで機関保証料が返還されるメリットがあるのです。


日本学生支援機構Q&A「繰上げ返済したのですが、保証料は返ってくるのでしょうか」


無利子でも延滞金は発生する

無利子奨学金でも滞納すれば延滞金が発生します。

延滞金の賦課率は年5%です。

滞納時点から計算され、実際に加算されるのは2ヶ月後からです。

つまり3ヶ月後の支払日まで返済が滞った場合に延滞金は請求されるのです。



ブラックリスト入りの危険性


日本学生支援機構は全国銀行個人信用情報センター(信用機関)に加盟しているため、3ヶ月以上の滞納で奨学金の滞納情報が記録されます。

これが通称ブラックリスト入りです。

個人信用情報機関への個人情報・個人信用情報の登録


♦️ブラックリスト入りのデメリット
・住宅ローンが組めなくなる
・自動車ローンが組めなくなる
・クレジットカードの新規発行or更新の停止
・クレジットカードの利用停止

登録されたブラックリスト情報は銀行やカード会社に共有されるため、借り入れやキャッシングができなくなります。

そして住宅ローンや自動車ローンも組めなくなります。

個人信用情報機関への信用情報の登録は延滞中はもちろん、延滞期間が解消されてから5年間残ります。

差し押さえ(強制執行)リスクがある


延滞金やブラックリスト入りについて「この程度であれば人生設計に影響はない」という意見もあります。

しかし、借金があるということは差し押さえリスクについても考慮しなければいけません。

♦️差し押さえの対象
・土地、車、
・株、投資信託など金融商品
・貴金属
・給与
・自営業なら売上や売掛金

「差し押さえ」といえば財産を思い浮かべがちですが、実は勤務先からの給与や自営業なら売掛金も対象です。

収入を押さえられてしまえば、生活はたちまち苦しくなります。

無利子奨学金に利息負担がないとはいえ、人生を棒に振るリスクは確実に存在するのです。

奨学金の繰上返還(返済)のやり方

日本学生支援機構では奨学金の一部または全額を繰上返還(返済)できます。

手続きには3通りのやり方があります。

奨学金相談センターへナビダイヤルで申請
FAX(FAX番号はこちら)で申請する

パソコンやスマートフォンから24時間申し込めるスカラネットパーソナルを利用するのが最もスムーズだと思います。

その他、奨学金の繰上返還については「日本学生支援機構・繰上返還の申込方法」をご確認ください。

奨学金破産は人ごとではない?


平成28年の文部科学省「奨学金事業関係資料」によると、日本学生支援機構から奨学金を借りてる人は141万人に対し、延滞中は32.8万人と全体の約23%が延滞者となっています。

さらに3ヶ月以上の延滞をしている人は17.3万人と約12%に達します。

この資料で3ヶ月を超える延滞者の減少理由について「返還者が長期の延滞に陥らないよう早い段階での回収促進策を講じているため」としていて、滞納者に対して早い段階から措置が取られているとのこと。

日本学生支援機構から延滞者への早期回収(いわゆる強制執行)が行われていることがわかります。

3ヶ月経過した時点から早期回収が検討・適応されてしまい、自身のみならず連帯保証人まで巻き込むリスクがあるのです。

実際、奨学金に絡んだ自己破産は2016年までに1万5338人に上り、そのうち連帯保証人と保証人は合計7230人と言われています。

奨学金破産、過去5年で延べ1万5千人 親子連鎖広がる

奨学金破産は年々増えていると言われており、他人事ではないのです。

まとめ

無利子奨学金の繰り上げ返還のメリットと、借り入れ続けるリスクについてはいかがでしたか?

「無利子だから借り続けた方が得じゃないかな」と感じたとしても、借り入れ続けるリスクについて知ることは大切です。

奨学金を滞納して給料の差し押さえなど「強制執行」はこの10年で100倍を超えるペースで進んでいるとも言われています。

現物のある住宅ローンや自動車ローンと違い、奨学金の担保は私たちの人生です。

支払利息の金額だけに目を向けるのではなく、「将来のリスク」と「完済するメリット」を天秤にかけて人生のリスクを小さくしていきましょう。


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